2010年03月02日

明石焼き・明石のお好み焼き店にて(後編)

From con


http://hyogotsucool.seesaa.net/article/141106418.html
←のつづき。
 


さて、お好み焼きと焼きそばを焼いて、食べている間に、

玉子焼きが出て来ました。

IMGP4173.jpg


全国的知名度の高い玉子焼きですから、

今さら説明は不要かも知れませんが、

だし汁につけて食べます。

 IMGP4176.jpg


ふわふわの触感に中はとろとろ。

 IMGP4177.jpg


こんなに大きなタコも入っています。

 IMGP4179.jpg


完食。
お好み焼き、やきそば、玉子焼き、ビールで腹一杯です。

これ以上は食べられません。

 

最後にだし汁について。
何度も引用して恐縮ですが、
熊谷真菜『たこやき』(講談社文庫)によれば、

だし汁も徐々に進化していっているようです。

(以下は、同書114123頁を参考にしてます)

 

第1段階 だし汁につけない

第2段階 冷たいだし汁につける

第3段階 熱い(温かい)だし汁につける 


まず、第1段階。
元祖として有名な向井さんの玉子焼きはだし汁につけなかったそうな。

そのままでも充分美味しいものだったとのこと。 


次の第2段階。
熱々を冷まし、食べやすくするために、冷やした昆布ダシにつける。

現在でも冷たいだし汁で出している
「よこ井」二代目横井孝子さんのコメント。


 「玉子焼きのだしは冷たいのが本来なんですよ。

 だってあつあつの玉子焼きを熱いおだしでいただくなんて、

 ちょっとおかしいと思いませんか。子供なんて食べられませんよ。

 それに器のなかで玉子焼きの形はくずれるし。」(同書116頁)


これを読むと、温かい(熱い)だし汁につけているのは、

なんだか邪道のような気がするから不思議です………。 


そして第3段階。熱々のおすましのようなだし汁につける。

熱いだし汁を考案したという
「蛸の壺」主人・木村憲吾さんのコメント。


 女性や子供のおやつみたいなものだった玉子焼きを
 なんとか大人の味にしたい、
 そこで「だしには三つ葉のきざんだものを浮かして、
 
色、かおり、味と
 三拍子そろった大人の玉子焼きをつくったんです。」(同書
122頁)


これを読むと、
なるほど、それはそれで道理のような気がしてきた………。

 

先ほど、私は「進化」なる言葉を使いましたが、
こうしてみると、進化と言うよりも

多くの人に受け入れられていくと同時に料理人の創意工夫も加わり、

提供方法、賞味方法が枝分かれして、「多様化」していった、

というのが真実に近いのでしょうか?

 

ということは
これからも様々なだし汁のあり方が出てくるものと期待されます。

あの出石皿そばだって、現在のスタイルが完成したのは、
1960年代。
(とは言え、50年近い歴史を有するわけですが)

まだまだ玉子焼きも、そして食べ方も変化していくのでしょう。

 

要はB級グルメはうまければいいわけで、

元祖にこだわるのも良し、新しいものを好むも良し。

 

みなさんはどのタイプが好きですか?

ちなみに私の父親はソースをつけて食べています。 (おわり)

posted by CON at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 明石焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月14日

明石焼き・明石のお好み焼き店にて(前編)

From con

 

予告→http://hyogotsucool.seesaa.net/article/138839112.html

より遅れましたが、先週金曜日の晩、明石焼きを食べに
明石駅徒歩数分の某お好み焼き店にでかけました。

 

連れは、にくてんの時
http://hyogotsucool.seesaa.net/article/127639475.html

にお世話になった、生粋の高砂人N君です。

 

あまりB級ご当地グルメには詳しくない私ですが、

実は明石焼き、特に今回訪れたお好み焼き店とは深い付き合い?です。

といいますのも、このお好み焼き店に初めて行ったのが小学生の時、

(何年生だったかは憶えていませんが)かれこれ25年以上のつきあい。

 

父が旅芸人で国内各地を転々としていたので

しばしば行っていたというわけではありませんが、

明石近郊の農村集落にある父の実家に帰省するたびに行っていたので、

まあ、深い付き合いということにしておいて下さい。

 

その私を連れてきた父は明石の営業所で勤めていた
20歳前後によく来ていたらしいですから、
45年以上の付き合いです。

それもそのはず、このお店はホームページによれば
1954年にオープンとのこと(今回はじめて知りました)

 

閑話休題。

 

さっそく、明石焼き、豚玉、やきそばを頼みます。

まず、お好み焼きと焼きそばの材料が出されます。

実はこの店はお好み焼きも最高なのです!
生地が独特でもっちりとやわらかく。

こんなふうに↓ 自分で焼きます。

 IMGP4167.jpg


自分で焼くのは、他のお好み焼き屋にほとんど行ったことのない
私にとっては当たり前だったのですが、

生粋の高砂人N君は自分で焼く店には余り行ったことがない、と。


現に今回も「焼いてもらえませんか」と店のおばさんに頼む人が何組か。

以前はそんな人、あまり見ませんでしたが、平日の夜にもかかわらず、

観光客でしょうか?

おばさんも「忙しかったらできませんが」と言いながら焼いてました。

 

お好み焼きは自分で焼くものと思っていた
にわかB級ご当地グルメ研究家?には興味深い現象です。


以前、駄菓子屋は粉モンのゆりかご、みたいなことを書きましたが、

http://hyogotsucool.seesaa.net/article/132558385.html

熊谷真菜『たこやき』(講談社文庫)を読んでいると、

古くはお好み焼き同様の粉もの系の食べ物は駄菓子屋で材料が渡されて、

遊びもかねて子供たちがつくって食べていたそうな。

大森貝塚で有名なモース(明治10年来日)も

そんな風景をスケッチしているとか(同書77頁)。

 

子供たちが駄菓子屋の軒先で遊びに焼いて食べていた駄菓子が、
やがてちゃんとした店で
大人たちも自分でつくって食べる楽しむB級ご当地グルメになって、
そして今はご当地以外でも広く食べられる
ちゃんとした専門職?の人に焼いてもらう料理になった?

……なんてことを想像すると、
少なくともお好み焼きやもんじゃ焼きについては

駄菓子的な食べ物→B級ご当地グルメ→広く食べられる一般的な料理

といった進化があるのかな、などと考えます。思いつきですが。

 

この店では、もちろん焼きそばも自分で焼きます。

やきそばにはだし汁をかけますが、このだし汁がミソです。

やきそば↓

IMGP4169.jpg

以前、この店について書いたブログで
焼きそばを自分で焼くのが意外、

そのようなことを書いたブログ記事を読みましたが、

(記憶曖昧ですいません)

時代が変わるとともに、
その食べ物をとりまく人々の意識やあり方も移りゆく、

そんなところでしょうか?

 

では、気になる明石焼きは次回で。(つづく)

posted by CON at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 明石焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月20日

1/30に明石焼き調査に行ってきます

わが家では月に1〜2回、
電器屋で1000円ぐらいで売っていた
たこ焼き機でたこ焼きをつくっています。

こんな感じ↓

IMGP4143.JPG

家族4人なのに100コ以上つくって、
食べきれない分は冷凍しておやつにしたり、
冷蔵庫に何もない時の非常食にしたり。

別に秘伝と言ったものはなく、
まあ、心がけていることは
生地はとにかく薄く?つくるということぐらいでしょうか。

家庭でたこ焼きを作るのは、
関西では見慣れた光景(のはず?)

1/30に明石に行く用事があるので、
そんなたこ焼きのルーツとも言える
明石焼きの調査をして参ります。

事前予告というのも変ですが、
最近ドタバタしていてご無沙汰だったもので・・・・
posted by CON at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 明石焼き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする