2012年08月26日

「ハルヒサマーフェス2012」1日目

涼宮ハルヒ』シリーズの地元イベント「ハルヒサマーフェス2012」1日目の報告です。
館外スタッフ+調査報告者で参加です。


(参考)
 前記事:2012年08月22日
 ハルヒサマーフェス2012」〜聖地西宮市にて地元有志による初の展示会!〜
  http://hyogotsucool.seesaa.net/article/287920257.html
 関西新文化振興会 ハルヒサマーフェス2012の告知(時点更新あり)
  http://knpa.info/diary/2012/d20120730.htm


会場入口に重量展示物:西宮北口駅前公園の改修前にあった時計です。

120824西宮北口駅前公園の時計.jpg
西宮市某所に保管されているもので,今でも全4面のうち3面の時刻を正確に刻んでいます。

1日目・2日目共通の展示のほか,1日目は関西コンテンツツーリズム調査報告会/2日目はハルヒ聖地巡礼ツアーがメインです。
開始時すぐの来場者,甲陽園駅から徒歩での通行状況,資料の捌け方,調査報告会のピーク状況などから,1日目の来場者は100名以上はありました。調査報告会の聴講者は終日通しの人が多かったみたいです。


調査報告会のセッションは,

関西コンテンツツーリズム研究会 調査報告会 1日目
 午前:
  (1) 神戸夙川学院大学原一樹ゼミ学部生による卒論中間報告となる発表
 午後:
  (2) 神戸夙川学院大学原一樹ゼミ学部生3名による「ハルヒと西宮の風景」
  (3) 神戸夙川学院大学原一樹准教授による「コンテンツツーリズムの概観」
  (4) アニメ系コンテンツ活用の地域展開事例やメディア面の考察
  (5) 作家・森田季節氏によるゲストスピーチ「小説における舞台設定」

特に,午後すぐの(2)と(3)は来場者の関心が高く聴講者数のピークで,教室の後部に立ち見があふれて,急遽座席を増設しました。いずれの発表でも,複数名から質問が出てました。当方のメンバーも質問してました。そういうこともあり,午後のセッションは17時予定が17時45分頃に終了となりました。

午後(4)セッションで話してきました。

発表タイトル:
 「いまいち萌えない?兵庫県

概要(配布資料の掲載文):
 『涼宮ハルヒ』をはじめとする有力なアニメ系コンテンツを活用した地域振興について, 他地域に比べて進展しにくい兵庫県。「いまいち萌えない」現状や社会経済情勢の変化を踏まえて,聖地観光に捉われないサブカルチャーコンテンツによる地域振興の方策について検討する。

要は,アニメ・マンガ系コンテンツを活用した地域振興の方策についての一検討。
構成は,兵庫県庁での経過,兵庫県での萌えおこし,地域振興での活用方策の3段。
観点は,地域でのアニメ系コンテンツ活用においてツーリズム振興を基軸とすることに対する反論です。本稿の作成にあたり久々にペーパーにあたりましたが,この観点に近い論調のものがいくつか見当たり参考文献としました。

質疑で兵庫県北部のコンテンツについて出て,AIR(TV版)と但馬みえ(鉄道むすめ)しか思い付かなかったのですが,後で「いまもえ.jp」某氏に『サザエさん』があることの指摘があり,確かにそうでした。

以下,話した内容を・・・


レジュメ(ポイントを加筆)と発表スライドの抜粋(全53枚中21枚)を公開【無断転載・無断引用厳禁】します。画像や思慮・工夫のスライドは除外しています。なお,組織(所属本籍)の公式見解ではないことに留意願います。

*発表スライド(抜粋・集約)PDFファイル(1.25MB) 
  120825hyo5296_KCT-KNPA_imamoe.pdf 

  1. はじめに
    ・「ひょうごっつ☆くーる」とは?
    ・留意事項

  2. 兵庫県庁での経過
    (1) 兵庫県庁での取り組み
     2008年8月〜10月 政策課題研究グループ (課題調査)
      「サブカルチャーを核とした地域産業の活性化について」
     2009年8月〜2010年3月 事業化テスト推進事業 (試行事業)
      「サブカルチャーを活用した地域産業活性化情報発信」
     2010年10月〜2012年3月 緊急雇用就業機会創出事業
      「地域資源活用情報発信事業」(県内4者に業務委託)

    (2) 成果等の一部紹介
    ・取組の方向性(出自)
     コンテンツ産業や地域産業の振興の側面から,鷲宮町で例示
    ・行政の役割検討
     兵庫県のサブカル資源を広く知ってもらう 等
    ・地元新聞社に委託した事業の展開
     「いまいち萌えない娘」の展開
     兵庫県のサブカル資源の認知向上や発展に大貢献

  3. 兵庫県での萌えおこし
    ・他府県での状況をふまえて
     現状を表現するならば・・・ 〜 いまいち萌えない?兵庫県 〜 
    ・典型例に対する反論
     都市部でこれが話題になるか?
     特定コンテンツ単発ではないか?
     集客交流だけが地域活性化なの?

    *本当に「いまいち萌えない」なのかを検証する
    ・主要なアニメ・マンガ系資源
     『涼宮ハルヒの憂鬱』の聖地,センタープラザ西館,宝塚市立手塚治虫記念館,
     鉄人28号モニュメント/KOBE鉄人PROJECTアニメーション神戸
    ・進展しにくい要因
    ・地域特性(神戸・阪神間)
    ・兵庫県コンテンツの黒歴史

    *確かに・・・そうなのか? でも,一方では・・・
    ・新たな地域コンテンツの出現
     芦屋四姉妹物語,ひょうごクリーンアップキャンペーン,マンガ「あるいとう」(ななじ眺)
    ・既存展開による効果
     出店誘致の後押しとなった事例を2つ
    ・多彩なアニメ系資源の存在
     舞台・ロケ地型,作者ゆかり型,イベント・コンベンション型(地域産業振興,制作会社所在地),
     キャラクター活用型(版権利用,独自創作),その他補完・支援する資源

  4. 地域振興での活用方策
    ・地域づくりへの適用
     一般的に考えられる地域振興の手法
    ・サブカルコンテンツを核として
     サブカル(新文化)は有用なツール(手法)

    *典型面以外の別の観点から,「涼宮ハルヒ」と「兵庫県」の2つで模索
    ・『涼宮ハルヒ』での地域振興
     コンテンツツーリズム/聖地巡礼の先を見据えて
     現状,活用可能性の例,今後の課題
    ・兵庫県でのコンテンツ活用による持続発展として
     点でなく面による展開,兵庫県産コンテンツの流通

  5. おわりに
    ・まとめ
     コンテンツツーリズム一辺倒からの価値転換
     兵庫県で地域コンテンツの創出・活用による持続発展のまちづくり
    ・まとめ補足
     兵庫県(神戸・阪神間)の沿革とサブカルチャー(新文化)の親和性
    ・いまもえひょうご
     完成しない「今萌える」
    ・参考文献
以 上
posted by NV1 at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 涼宮ハルヒ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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