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ブログのカテゴリで,「アニメ・漫画」から「資料紹介・会議報告」を新設して,アニメ・マンガ・ゲーム等のサブカルチャーコンテンツを活用した地域振興の先進調査の記事を分離しました。
兵庫県以外の他地域での取り組みに関する文献資料(書籍,調査報告書,研究発表等)の紹介や,ファン/ユーザー向けイベント以外の研究会等の会議の報告などを,そちらのカテゴリに移しました。
学問研究の類ではなく,地域活性化の取り組み実践を紹介して,兵庫県での活動の参考にしていただければとの想いです。
以下,
1.「次世代まちおこしとツーリズム」報告書:所感など
2.コンテンツ関連での研究会:北大以外の研究活動などの二例
3.その他:アニメ作品等の舞台探訪(聖地巡礼)のツーリズムでの分類語
を展開します。
1.「次世代まちおこしとツーリズム」報告書
以前の記事で紹介した報告書を読んでから時間が経ってしまいましたが,簡単に所感などを。
ブログ内関連記事:「次世代まちおこしとツーリズム」報告書 2010年06月18日
http://hyogotsucool.seesaa.net/article/153668017.html
◆報告書 第一部:第6回観光創造フォーラムの記録
鷲宮町商工会の幹部の方が,基調講演やあいさつされており,いずれも商工会議所・商工会のミッションを説明しつつ,現在のまちづくり活動での役割までを言及されていたのが,印象に残りました。
◆報告書 第二部:研究会発表論考集
鷲宮町の事例の考察だけでなく,「アニメ等のコンテンツに関わるツーリズム」として他作品の舞台探訪(聖地巡礼)の言及や,既存分野の研究(観光学,社会学,文化学等)をふまえた論考が見られました。
当方が課題調査(平成20年8月〜10月)で既存文献を検索したときは,ある1ヶ所での事例調査が散発的に見つかる程度でしたので,この分野での研究等が進展しているように感じられました。
◆第9回観光創造フォーラム「サブカルチャーとツーリズム、そして次世代の地域振興」
「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ2010」の北海道大学観光学高等研究センターの併催フォーラムでの資料も,既に公開されていました。
北海道大学学術成果コレクション HUSCAP(論文検索)
第9回観光創造フォーラム「サブカルチャーとツーリズム、そして次世代の地域振興」
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/43205
2.コンテンツ関連での研究会
北海道大学観光学高等研究センター以外での取り組みを2つ書き出しておきます。
あと,当ブログと同じような頃に立ち上がり,特定の作品・テーマからでなく,「サブカルチャー」や「コンテンツ」という観点で,多種のテーマ(アニメ・マンガ,ゲーム・ネット,グルメ,グッズ等々)の情報を取り上げるウェブサイト/ブログもいくつか見られますね…。
◆コンテンツ文化史学会
http://www.contentshistory.org/journal/
2009年4月に設立されています。学会誌『コンテンツ文化史研究』のバックナンバー目次からは,過去の歴史・文学から現在のコンテンツ・メディアまでの連なりの論考等が見られます。
「コンテンツ文化史学会について」より引用:
> 本学会では、その現状を踏まえ、様々なコンテンツタイプを統合的に考察すること
> を第一の目的とします。
> 本学会の第二の目的としては、過去から現在に至る様々なコンテンツ作品について、
> 政治・文化・経済・風俗など作品成立当時の時代的背景にも言及し、さらには
> 歴史的な連続性および非連続性にも着目しながら、「文化史」という枠組を用いて
> 研究してまいります。
◆観光庁「スクリーンツーリズム促進プロジェクト」
観光庁が,2010年7月末からワーキンググループ(WG)の会議開催しています。
また,8月23日から「平成22年度支援作品(モデル事例)」を公募予定となっています。
プレスリリース(2010年07月23日)抜粋:
> 観光庁では、今年度から映画・ドラマ等の映像作品を活用した「スクリーンツーリズム
> 促進プロジェクト」をスタートさせます。…
> …本プロジェクトでは、特にインバウンド観光促進の観点から我が国でのスクリーン
> ツーリズムを推進するため、…インバウンド観光につながる映像を公募・選定し
> ロケ支援を実施すること等を予定しております。
第1回WGの資料を見渡す限りでは,既存のフィルムコミッション(FC)の海外展開支援の感もありますが,アニメやCGの映像作品も,地域が舞台背景の素材となっていれば対象です。
第1回WG配付資料(資料1)抜粋:
> 2.基本コンセプト 1)スクリーンツーリズムの定義(素案)
> <スクリーンツーリズムの諸条件>
> @スクリーンツーリズムで対象となる映像作品は、現実世界が素材として使われ、
> それが視聴者によって特定され得る限り、実写/アニメ/CG などの種別は問わない。
> Bスクリーンツーリズムの評価は、……直接的な観光業への刺激のみならず、
> 地域文化や観光業以外の産業への波及効果も評価対象とする。
(参考)
観光庁 報道発表 2010年08月11日
「スクリーンツーリズム促進プロジェクト」第2回WGを開催します!〜支援対象作品を公募します〜
http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics08_000049.html
観光庁 報道発表 2010年07月23日
「スクリーンツーリズム促進プロジェクト」スタート!
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000040.html
3.その他
アニメ・マンガ・ゲーム等のサブカルチャーコンテンツを活用した観光(ツーリズム)を説明する言葉ですが,上述のとおり,関係者や目的の異なりもあり多様です。何か一つに決まっていると,調査や検索するときに効率的にできて助かるのですが…。
【北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑 准教授】
(1) サブカルチュラル・ツーリズム
*「カルチャー」に対する「サブカルチャー」や,「カルチュラル・ツーリズム」の対義でしょうか?
(2) アニメコンテンツツーリズム(ACT:ANIME Contents Tourism)
【北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院 岡本健 氏】
(3) コンテンツツーリズム/コンテンツ・インデュースト・ツーリズム
(4) ヲタクツーリズム(オタクツーリズム)/ヲタツー
【観光庁 国際交流推進課】
(5) スクリーンツーリズム
【埼玉県 観光課】
(6) アニメツーリズム
以 上