田村秀『B級グルメが地方を救う』集英社新書(2008)によれば、
東京起源のトンカツは、各地に広まっていくなかで、
様々なバリエーションのご当地グルメが誕生したということです。
カツ丼もいろいろあって、
カツ丼のプロトタイプ(?)ソースカツ丼(福井、駒ヶ根、会津若松など)、
ドミグラスソースをかけたカツ丼(岡山)、
あんかけのカツ丼(瑞浪)、
醤油仕立てのカツ丼(新潟、訓子府)。
カツ丼以外にも、
ドミグラスソースをかけたトンカツとピラフ、スパゲティ、サラダが一皿にのったトルコライス(長崎)、
炒めたライスの上にのせたトンカツに同じくドミグラスソースをかけたエスカロップ(根室)、
オムライスにカツを載せてドミグラスソースをかけたボルガライス(越前市)、
そしてトンカツ、ビフカツをご飯の上にのせ、やはりドミグラスソースをかけた、われらが加古川のかつめし。
どのような形で伝播していったのかは興味があるところですが、
こうやってみると、加古川のかつめしも決して突飛なものでなく、
以上のようなトンカツB級グルメの全国的展開の中に位置づけられるのですね。