アニメーション神戸授賞式(2009年10月18日/神戸国際会館)の報告(前編・第1回)です。長いので,全3回に分けて記事投稿します。
既に当ブログや他ブログで,会場内が最も沸いた場面などが出ていますので,全体のまとめを報告します。その前に,ご協力いただきました,事務局に感謝いたします。ありがとうございます。
「アニメーション神戸」というと,“アニメに関する作品,制作者,歌などの商用作品の表彰”が広く知られていますが,それだけでなく,人材育成のための取り組みも継続して行われています。
ホームページには,
> “anime(アニメ)”として世界的に評価が高い国内の商用アニメーションに対する顕彰と、
> 未来のコンテンツ・クリエーターを目指す人材の発掘・育成を2本柱として実施しています。
と書かれており,商用作品の作品賞3部門の審査基準の最後には,
> また、国内制作・海外制作を問わないが、国内の人材育成に寄与する作品をより高く評価する。
となっています。
具体的には,デジタル映像の制作人材の発掘・育成のため学生等による作品を公募・表彰したり,プロをめざす人たちを対象とした ワークショップ(声優育成,動画の基本技術の指導) を開催しています。
第1部 デジタル・クリエイターズ・アワード (13:00〜15:00)
「アニメーション神戸」で一般公募された,作品の上映や審査・表彰などです。
作品部門は,オリジナル・アニメーション作品,ロゴタイプ・キャラクター,Webアニメ(小学生以下,中学・高校生,一般,協賛テーマ)などです。
オリジナル・アニメーションの審査委員長は,「おじゃる丸」などの大地丙太郎(だいち あきたろう)監督です!

大地監督のオリジナル・アニメ作品の審査総評など:
・最終ノミネートの5作品は審査委員全員が良いと感じたものである。
・見る人の感覚によるため,予備審査通過の25作品は全て良く,中には個人的におすすめの作品がある。
#23「彼女のきのこは僕が食べるもの」,#24 「DENSHA」,#20「ひとりだけの部屋」,#10「ゆめみし」
・最優秀賞以外の優秀賞4作品にも,「天の川賞」「レインボーハート賞」「ダイナマイト賞」「月のあかり賞」と作品内容にちなんだ賞名を付けました。
なお,次の2作品は,J:COM(神戸・芦屋,三木エリア)で,11月放送予定です。
・最優秀賞 「memory」 作者:山元隼一氏
・J:COM賞&月のあかり賞 「真夜中のこども」 作者:七尾一哉氏
七尾氏は欠席のため作者コメントが読み上げられ,その内容・エピソードに会場が沸くとともに,大地監督が表彰者と受賞者代役の一人二役をこなされました。
アワード表彰式の後,大地監督の『アニメーション演出 ポイントはここだっ!』のお話(約20分)がありました。


アニメ演出のポイントとして,
(1) 間(ま),呼吸,リズム,テンポ (これらは一連のもの)
(2) センスを磨く (たくさん見て,つくり,研究)
(3) 見る人を楽しませるサービス精神 (媚びるのでなく,見たら喜んでくれるにちがいない)
このほかに,
10年以上続く「おじゃる丸」の制作では,慣れに陥らず緊張感を持って臨んでいる
とのことでした。
最後に,3秒原画応募作品を大地監督が編集されたものに,2年前のアニメーション神戸で制作されたエンディング曲「Dream Chance!」をのせた映像が流れて第1部の終了です。
第2部開始までの休憩時間中,本会場ホール(1階)では過去のWebアニメの受賞作品が,地下1階ロビーではオリジナル・アニメーション作品の予備審査通過作品が,上映されました。
また,1階ロビーでは,神戸近辺の大学等の学生のデジタルグラフィックス作品を持ち寄った「各校合同巡覧展」のパネル展示がありました。
(参考)
アニメーション神戸
http://www.anime-kobe.jp/
速報記事:白石さんの赤鬼
http://hyogotsucool.seesaa.net/article/130828444.html
第2回の記事:第14回アニメーション神戸授賞式・赤鬼の写真追加
http://hyogotsucool.seesaa.net/article/130898523.html
第3回の記事:第14回アニメーション神戸授賞式・トークショー
http://hyogotsucool.seesaa.net/article/130900668.html