小説には「城崎にて」という名作がありますが、
兵庫県や神戸を舞台にした漫画って言うと?
その名のとおり、神戸を舞台にした
木村紺『神戸在住』という作品があります。
『月刊アフタヌーン』(講談社)に
1998〜2006年にわたって連載された作品です。
書名だけ知っていて、読んだことはなかったのですが、
このたび1巻を買ってきて読んでみました。
神戸山手大学・短期大学をモデルにした学校に通う大学生が主人公の物語で、
震災にまつわるエピソードが随所に出るほか、
1巻だけを見ても、
三宮、中華街、ハーバーランド、須磨海岸、六甲アイランド
といったメジャーどころから、
長田、ひよどり台、モトコー(元町高架下)
といったところまで、
神戸の様々な土地が主人公の視点から紹介されます。
ウィキによると、作者の木村紺はプロフィール不詳の人らしいですが、
美術科に通う主人公の繊細な感覚と交友関係から、
作者の優しさがかいま見えます。
それらに加え、一見淡々としたストーリー展開と繊細で柔らかいペンタッチが
作品の独特の雰囲気を醸し出すと共に、
神戸の風景描写を優しいものにしています。
この『神戸在住』で描かれた風景を写真で紹介しているのが、
Nonkiさんが2001年に開設した「『神戸在住』の風景」です。
1〜10巻ごとにギャラリーをつくって、
各巻相当な枚数の写真が掲載されています。
『神戸在住』が気に入った人であれば、
その風景を実際に見てみようか、
という気にさせるだけの写真が充分に集めてあります。
私も2巻以降も揃えて、
作者の描く優しい風景を探しに
神戸市内の散策に出かけてみようかな。
そんな気分にしてくれるホームページです。
(参考)
ウィキペディアの「神戸在住」「木村紺」(9/23現在)